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2027年4月、障害者グループホームが「総量規制」の対象になる

令和9年4月1日(2027年4月1日)から、共同生活援助(障害者グループホーム)は総量規制の対象サービスに加わる。総量規制とは、地域の定員が障害福祉計画の見込み量に達している場合に、自治体が指定しないことができる制度で、生活介護や就労継続支援A型・B型などですでに運用されている。対象サービスに加わることは、一律に開設できなくなることを意味しない。指定するかどうかは、自治体の判断による。

何が決まったのか

根拠になっているのは、厚生労働省・こども家庭庁の指定ガイドライン(令和8年6月30日)である。正式名称は「障害福祉サービス事業者等の指定のガイドライン」の作成についてで、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課とこども家庭庁支援局障害児支援課の連名通知として発出された。ガイドラインには「※令和9年4月1日からは共同生活援助が新たに対象サービスとなる。」と明記されている。

決まっている事実はこれだけである。共同生活援助が総量規制の対象サービスに加わる時期が示されたのであって、全国一律に新規の指定を止める内容ではない。なお、本稿で扱う共同生活援助(障害者グループホーム)は、高齢者向けのグループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは別の制度である。

総量規制とは何か

総量規制とは、指定申請があった際に自治体が指定しないことができる制度である。具体的には、その区域における当該サービスの利用定員の総数(供給サービス量)が障害福祉計画等に定める必要利用定員の総数(サービス見込量)以上となっている場合、その指定によって上回ることになると認められる場合、あるいは障害福祉計画等の達成に支障が生じるおそれがあると認められる場合に適用される。根拠条文は障害者総合支援法第36条第5項・第38条第2項、同法施行規則第34条の20である。

2026年3月時点で、生活介護・就労継続支援A型・就労継続支援B型・障害者支援施設(障害者総合支援法)、児童発達支援・放課後等デイサービス・障害児入所施設(児童福祉法)の7サービスがすでに対象になっている。共同生活援助は、これに加わる形になる。

大阪市は、このうち就労継続支援B型について総量規制を実施しており、共同生活援助は2026年3月時点で対象外である。受付停止期間は令和8年8月1日指定から令和9年7月1日指定までと定められている(大阪市公式、ページ更新日2026年3月31日)。1自治体の運用にすぎないが、先に規制が入ったサービスでは、すでにこうした形で運用されている。指定をしない扱いは固定的なものではない。年1回や障害福祉計画等の策定時、サービス量が不足していると判断される場合には解除が検討され、解除の際は公募によって募集される。

例外として扱うことが望ましいとされている人たち

ガイドラインは、総量規制を適用する場合であっても、強度行動障害の状態にある児者、重症心身障害児者、医療的ケアを必要とする児者等を対象とする場合、事業継承等で実質的に支援体制に変更が無い新規指定の場合、その他自治体が必要と認められる場合の3つを、対象外として扱う運用が望ましいとしている。

このうち1つ目に挙げられているのは、支援の必要性が高い層である。地域の定員が計画上の見込み量に達していても、こうした層を対象とする事業を対象外にする運用を、ガイドラインは望ましいとしている。総量規制の対象サービスに加わることと、支援の必要性が高い層への受け皿が制限されることとは、別の論点として整理されている。

数字で見る「余っているのか」

総量規制は、供給が需要を上回っている場合に適用される仕組みである。実際の数字を見ると、全国一律にこの前提が当てはまるわけではない。

WAMNET(2026年3月末時点、名寄せ後)によると、全国の障害者グループホームは15,000か所である。この1年間(2025年3月末→2026年3月末)で新しく1,507か所が掲載され、484か所が消え、純増は+1,023だった。増加数の県別上位5県は次のとおりである。

一方、住民基本台帳(2025年1月1日現在)の全2,200市区町村のうち、GHが1件も掲載されていない市区町村は666、全体の30%にのぼる。人口10万人あたりの設置数で見ても県差は大きく、上位は佐賀県18.7・北海道17.7・大阪府17.3、下位は香川県6.7・東京都7.6・福島県7.9で、最上位と最下位の差は約2.8倍である。

供給が増えている県がある一方で、GHが1件もない市区町村は全体の3割を占める。「全国一律に供給が需要を上回っている」という前提は成り立たない。お住まいの町の実数は、当サイトの市区町村ページで確認できる。

→ お住まいの町の数字を調べる(市区町村別データ)

このサイトの「グループホーム」について

本サイトの数字はすべて障害のある方向けのグループホーム(共同生活援助)です。高齢者向けのグループホーム(認知症対応型共同生活介護)は含みません。名前が同じでも別の制度です。

数字の出どころ(すべて公的データ)

事業所の数と一覧=WAMNET 障害福祉サービス等情報公表システム オープンデータ(2026年3月末時点)/人口=総務省 住民基本台帳(令和7年1月1日現在)。詳しくは出典とデータについて

数え方の注記

「この1年の増減」=2025年3月末→2026年3月末の掲載数の差(開設・掲載開始・廃止を含む)。複数の町に住居を持つ事業所は代表の町で数えています。